歯科コラム

歯磨きって1日何回すればOK?ズボラでも続く回数とタイミング

「朝はギリギリまで寝て、夜は疲れて寝落ち。気づけば歯を磨かず1日が終わっていた…」そんな経験、ありませんか?

「ちゃんとしなきゃ」と思いつつ、毎日完璧にこなすのはなかなか難しいもの。
1日何回が正解なのか、そもそも全部きっちりやる必要ってあるの?と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、忙しくても最低限ここだけは押さえておきたい歯磨きの回数や、タイミングのコツをわかりやすくご紹介します。
「ちゃんとやらなきゃ」ではなく、「これなら続けられそう」と思える歯磨き習慣を見つけていきましょう。

歯磨きって1日何回すればいいの?

歯磨きは最低1日2回。理想は3回が基本

歯磨きは、最低でも1日2回。理想は3回が基本です。
とくに大切なのは「夜の歯磨き」。寝ている間は唾液の分泌が減り、細菌が一気に増えやすくなるため、就寝前にしっかり汚れを落としておくことが、虫歯や歯周病のリスクを下げるカギになります。
朝・夜の2回を丁寧に磨けていれば、ある程度の予防効果は期待できますが、回数が少ないほどトラブルのリスクは高まりがちです。
特に歯並びが複雑な方や、被せ物・矯正中の方は、汚れが残りやすいため注意が必要です。
とはいえ、「昼の歯磨きはどうしても無理…」という方も多いはず。そんなときは、食後のうがいやキシリトール入りのガムを活用するのも有効な対策です。
大切なのは“回数をこなす”ことではなく、“しっかり汚れを落とす質”と“続けられる習慣”を持つこと。
完璧を目指すより、自分に合ったペースで無理なく続けることが、結果的にお口の健康を守る近道になります。

歯磨きは最低1日2回。理想は3回が基本

大切なのは“回数”よりも“質”

歯磨きの本当の目的は、「歯に残った汚れや細菌(プラーク)を取り除くこと」です。
つまり、何回磨いたかよりも、1回の歯磨きでどれだけしっかり汚れを落とせたかが大事なんです。
夜寝る前にゆっくり3〜5分、ていねいに磨くだけでも、虫歯や歯周病のリスクは大きく下がります。
「今日は夜だけでも完璧にやったからOK」と思えるだけで、気持ちもラクになりますよ。

大切なのは“回数”よりも“質”

習慣化のカギは“無理しないルール作り”

「朝はバタバタで歯磨きどころじゃない」「昼は職場で磨ける雰囲気じゃない」——そんなときは、無理に理想通りを目指さないことが続けるコツ。
たとえば「夜だけは絶対に丁寧に」「昼はガムを噛む」「朝は水で口をゆすぐだけでもOK」といった、“現実的なマイルール”をつくるのがおすすめです。
ストレスなく続けられれば、それがいちばんの理想の歯磨きです。

朝・昼・夜いつ磨くべき?タイミングで変わる効果

朝の歯磨きは「起きてすぐ」がベストな理由

「朝って、起きた直後に磨く?それとも朝ごはんのあと?」と迷うこと、ありませんか?
実は、起きた直後に磨くのがおすすめです。寝ているあいだに口の中で細菌が繁殖していて、朝起きた時点では“雑菌まみれ”状態なんです。
そのまま朝食を食べてしまうと、口内の菌と一緒に食事を飲み込むことに…。なので、まずは軽くでもいいから、起きたらサッと磨く。これだけで口臭対策にもなります。
※時間がなければ、うがい+舌磨きだけでも効果あり!

朝の歯磨きは「起きてすぐ」がベストな理由

昼の歯磨きは「できたらラッキー」くらいでOK

忙しい日中、職場や外出先で歯磨きってなかなかハードルが高いですよね。
実際、昼の歯磨きは“できれば理想”だけど、絶対じゃないんです。
どうしても難しい日は、以下のどれかでも代用可能:

  • 食後に水やお茶をしっかり飲む
  • ガムを噛む(キシリトール配合なら◎)
  • マウスウォッシュでサッと口をゆすぐ
    「ゼロよりちょっとマシ」でいいんです。完璧を目指さないのが、続けるコツです。

夜の歯磨きは“今日一番大切なセルフケア”

正直、夜だけは気合いを入れてほしいところです。
なぜなら、寝ている間は唾液の分泌が減り、細菌が爆発的に増えやすい時間帯だから。
1日の汚れをしっかり落としておくことで、虫歯・歯周病・口臭のリスクをグッと減らせます。
疲れていると面倒に感じますが、「夜だけは丁寧に」を習慣にできれば、それだけでお口の健康は大きく変わりますよ。

夜の歯磨きは“今日一番大切なセルフケア”

めんどくさがりでもできる“最低限”の歯磨き習慣

「1日1回でも大丈夫?」の現実的な答え

「今日は疲れすぎて…もう磨かなくていいかな」
そんな日、ありますよね。でも実際、1日1回でも、磨き方しだいでそれなりにカバーできるんです。
特に大事なのは夜。寝る前に3〜5分かけてていねいに歯磨きできれば、朝昼をサボったとしても、虫歯や歯周病のリスクはかなり下げられます。
ただし、「たまにならOK」という前提で。1回だけの日が毎日続くと、やっぱり影響は出やすくなります。

歯磨きが面倒な日は“この3つ”を押さえるだけ

どうしても時間も気力もないときは、以下の3点だけでも意識してみてください。

  • 奥歯を重点的に磨く(虫歯になりやすい場所)
  • 舌の汚れを軽く取る(口臭の原因を減らせます)
  • 仕上げに水 or マウスウォッシュで口をすすぐ

毎回完璧を目指すと、どうしても気が重くなりますよね。
「今日はこれだけやれたらOK」と決めておくだけで、自己嫌悪もなくなるし、気持ちの余裕にもつながります。

歯磨きが面倒な日は“この3つ”を押さえるだけ

手を抜くなら“道具”に頼っていい

電動歯ブラシやマウスウォッシュを「ラクする道具」として使うのはむしろ正しい選択です。
とくに、手を動かすのが面倒/子どもと一緒にバタバタな朝/夜は集中力が切れている…そんな人には、電動タイプが救世主になることも。「どうせやるならラクして効率よく」が、長続きのカギです。

  • 電動歯ブラシ:歯磨きがめんどくさい人には電動歯ブラシ最適
    少し動かすだけで綺麗に磨いてくれるので、かなり快適!
  • 歯間ブラシやフロス:毎日は無理でも週2〜3回できれば◎
  • ワンタフトブラシ:奥歯や歯のすき間だけをピンポイントでケア

高価なものを揃える必要はありません。「ラクに続けられる道具」を味方につければ、毎日の歯磨きがグッと気楽になりますよ。

歯磨きをサボるとどうなる?放置のリスクとは

「ちょっとくらい平気でしょ」が習慣化すると危険

1日くらいサボっても平気。たしかに、1回だけなら大きな問題にはなりません。
でも、その「まぁいいか」が何日も続いていくと、知らないうちに口の中はトラブルの温床に…。
気づいたときには、歯茎が腫れていたり、口臭がきつくなったり。そして「久しぶりに歯医者に行ったら、虫歯が3本も…」なんてことにもなりかねません。

「ちょっとくらい平気でしょ」が習慣化すると危険

放置で起こる3つのリアルなリスク

・虫歯
プラーク(歯垢)に含まれる虫歯菌が、歯を溶かしていきます。小さな穴があいても、痛みが出るころには結構進行していることも。

・歯周病
歯茎の腫れや出血に気づかないまま進行すると、歯を支える骨が溶けて歯がグラグラに。最悪、抜歯になるケースも。

・口臭
汚れがたまった口内は、細菌の活動でニオイが強くなりやすいです。特に寝起きや人と話すときに気になる…なんて経験、ありませんか?

「痛くないから大丈夫」は思い込みかも

歯のトラブルって、症状が出るころには進行していることが多いんです。
「痛くない=健康」ではなく、「今は静かに進んでいるだけ」なんてことも…。
とくに歯周病は、40代以降の8割がかかっていると言われる“静かな病気”。
サボり癖がつく前に、「夜だけでもちゃんと磨こう」という気持ちに切り替えておくのがおすすめです。

痛くないから大丈夫」は思い込みかも

自分に合った歯磨き回数を見つけよう

「正解」は人それぞれ。大切なのは“続けられること”

歯磨きは1日3回が理想、と言われることが多いですが、全員にその回数が必要なわけではありません。
食生活、体質、歯並び、忙しさ…人によって生活環境もリスクも違います。
だからこそ、あなたにとって無理なく続けられるやり方を見つけることが、なによりも大切です。
“完璧な3回”より、“続けられる1回”の方がよっぽど価値があります。

自分に合ったペースを見つけるヒント

まずは、次の3つの質問に自分で答えてみてください:

  • 忙しい時間帯は? → 朝?昼?夜?
  • 歯磨きを忘れやすいタイミングは?
  • 1日で「これならできそう」と思える回数は?

そのうえで、「夜だけは絶対に丁寧に磨く」「朝は時間があれば、昼は気が向いたら」くらいの柔軟なマイルールをつくってみましょう。
ストレスなく継続できる形なら、いつの間にか習慣になります。

自分に合ったペースを見つけるヒント

続けやすい歯磨き回数の決め方

気合を入れすぎると続きません。でも、「夜はきっちり、昼は気分しだい」でOKにしておけば、自然とケアの回数も増えていくものです。
無理なく続く=結果的にお口の健康が守られるということ。
「自分なりにできている」という実感が、次のモチベーションにもなります。
「毎日1回でも、これって足りてるの?」 
「自分の場合はどうなんだろう?」 
そんな疑問をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。

続けやすい歯磨き回数の決め方

この記事の著者

田熊 啓弘

田熊 啓弘

多くの患者様は、2つの問題を抱えて来院されます。それは病気や不具合という現実の問題と、その問題を持ったゆえに生まれてくる不安などを中心とした心の問題です。患者様の抱えている直接的な問題(病気・不具合など)を解消するための医療技術。 そして、病気や怪我を持つことで生まれる間接的な問題(不安・恐れなど)を解消するためのホスピタリティー。 この両方を兼ね備えることで、患者さんの抱える2つの問題を解決し、本当の健康を提案するのが医療の本来あるべき姿なのです。

 
資格・経歴:
日本顎咬合学会認定医
国際インプラント学会(ICOI)専門医
国際インプラント学会(ICOI)指導医
日本口腔インプラント学会専修医
子どもの歯並び予防矯正認定医
健康のための永久歯列矯正認定医
学会:
日本顎咬合学会
日本歯周病学会
日本臨床歯内療法学会
日本口腔インプラント学会
九州矯正学会
美容口腔管理学会
日本免疫療法学会
国際インプラント学会

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