歯科コラム

虫歯の初期症状とは?初期の虫歯の治療についても解説!

「最近、歯がしみる」「歯の表面が白っぽく濁って見える」などの症状は、もしかすると虫歯の初期サインかもしれません。

虫歯は進行すればするほど、治療の負担が大きくなります。だからこそ、初期段階での発見と治療がとても重要です。

今回は、虫歯の初期症状や進行段階、初期の虫歯を見逃さないためのポイント、そして治療法について詳しく解説します。

虫歯の初期症状

虫歯は「痛くなってから気づく」ものと思われがちですが、初期段階には痛みがほとんどなく、見た目や感覚の変化から判断する必要があります。以下のような症状が見られたら、注意が必要です。

歯の質感や色が変わる

健康な歯はツルっとした表面をしていますが、初期虫歯では表面がざらついたり、濁ったような白っぽい色に変わることがあります。

冷たい食べ物や飲み物がしみる

知覚過敏のような感覚がある場合、虫歯がエナメル質に達している可能性があります。とくにC1以降の初期段階で起こりやすい症状です。

白斑が出る

歯の表面に白い斑点のようなものが現れることがあります。脱灰と呼ばれる現象で、虫歯の初期段階にみられることがあります。

奥歯の溝に黒ずみが見える

歯の奥にある溝や隙間に、黒や茶色の着色が見られる場合も初期虫歯の可能性があります。汚れと見分けがつきにくいため、歯科での確認が必要です。

虫歯ができる仕組み

虫歯は、プラーク(歯垢)に棲みつく細菌が糖を分解し、酸を作り出すことで歯が溶けていく病気です。この酸によってエナメル質が少しずつ溶け出す「脱灰(だっかい)」から始まり、やがて象牙質、神経へと進行していきます。

虫歯の進行状況について

虫歯の進行はC0〜C4の5段階に分類されます。

C0

歯の表面に白濁や白斑が見られる虫歯の初期段階です。痛みなどの自覚症状はありません。フッ素塗布やクリーニングによって経過をみていくケースが多いです。

C1

歯の表面(エナメル質)に小さな穴が開いた状態です。まだ痛みはほとんどなく、削ってレジンで詰めるなどの軽度な治療で済むことが多いです。

C2

虫歯がエナメル質を越えて、象牙質に進行した状態です。冷たいものがしみることや痛みがあり、銀歯など詰め物などの処置が必要です。

C3

神経(歯髄)まで虫歯が到達し、激しい痛みが出る段階です。根管治療が必要になることもあります。

C4

歯冠が崩壊し、神経が死んでしまった状態です。抜歯が必要になるケースもあります。

初期の虫歯を発見するには?

虫歯は早期発見が何よりも大切です。以下のような方法で定期的にチェックすることをおすすめします。

レントゲン検査

歯と歯の間や詰め物の裏など、肉眼では確認しにくい部分にできた虫歯は、レントゲン検査を行うことで診断できます。

表面にはわかりにくくても内部で進行していることがあるため、目視とレントゲンを組み合わせた検査が有効です。

セルフチェック

毎日のセルフチェックで、症状や変化があれば虫歯の可能性があります。歯の表面に白い濁りや斑点が見える、奥歯の溝に黒ずみが出てきた、フロスが引っかかるなどのサインは、まだ痛みを感じない段階でも虫歯が始まっている証拠かもしれません。違和感を覚えたら、放置せず歯科医院でのチェックをおすすめします。

定期検診

もっとも確実な方法が、歯科医院での定期検診です。

定期健診では、虫歯だけでなく歯周病や噛み合わせなども含めた総合的な口腔チェックを行っています。歯科医師と歯科衛生士が連携し、小さな異変も見逃さない体制を整えています。

また、定期検診では歯のクリーニング(PMTC)やブラッシング指導も同時に実施し、虫歯の予防と早期治療を一貫してサポートしています。ご自身では見つけられない初期虫歯も、プロのチェックでしっかり確認できます。

初期の虫歯の治療方法

C0〜C1の段階であれば、削らずに治療できる可能性が高いです。

再石灰化

フッ素を活用した再石灰化促進で、歯の修復を目指します。高濃度フッ素の塗布やMIペーストを使用して再石灰化を期待します。

徹底的なケア

日常的なプラークコントロールが再石灰化を助けます。歯ブラシだけでなく、フロスやフッ素配合の歯磨剤などを使用することで虫歯の進行を防ぎます。

適切な歯磨き

歯並びや生活習慣に合わせたオーダーメイドの歯磨き指導を行うことで、セルフケアの質もアップします。自分に合った歯ブラシや磨き方を知ることも重要です。

初期の虫歯は早期対応が重要です

虫歯は放っておいても自然に治ることはなく、時間が経つほど歯を削る量が増え、治療の負担も大きくなってしまいます。しかし、C0やC1といった初期段階であれば、フッ素や適切なケアによって歯の再石灰化が期待でき、削らずに治すことも可能です。

初期の虫歯はほとんど痛みがないため、自覚症状に頼るのではなく、定期的な検診やプロによるチェックが欠かせません。さくら歯科クリニックでは、患者様一人ひとりに合わせた予防を行い、虫歯の進行を未然に防ぐ取り組みに力を入れています。

「歯を削りたくない」「大切な歯をできるだけ長く残したい」とお考えの方は、ぜひ一度検診にお越しください。

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